働き方改革の議論が行われていたとき「日本では労働者を辞めさせることができない」という声が、経済界から上がっていました。
その良し悪しを論じ始めると、議論が明後日の方向に行くので、ここでは「辞めさせることができない」という事実だけに留めておこうと思います。

それでも、辞めさせたいと思った場合、いわゆる「追い出し部屋」のようなところに異動させて、毎日仕事を与えない…
そんなイジメのようなできごとがニュースになったりしています。

そこまで、露骨ではないにせよ、難癖をつけて辞めさせようとする。
こういう行為を「パワハラ」と言います。


さて、前回は、偽りのデータで人集めをしていた実態(これは、以前にかいたものの焼き直し)と、名義貸しが行われていると疑われても仕方の無い本人の告白を中心に構成しました。

今回は、タイトル通り「パワハラ」の話です。


―――引用ここから―――
日曜日。今日はワンコイングループでちょっと問題のある人材とガストミーティング。辞めさせるのは簡単やけど、せっかくウチに来てんからなあ。まだ若いし。

オレはほうとうを食べた。平べったい麺。なかなかにいい感じでうまい。問題の人材はネギトロ丼を大盛り。お腹空いてるみたい。しっかり食べなはれ。

問題児の彼は確かに問題あった。まず会話が成り立てへん。何言うてるかワカラン。ゴニョゴニョ・・・っていうカンジ。返事も聞こえん。趣味はゲーム・・・。なるほど・・・。

ひとつ聞いてみた。「ワンコイングループで仕事続けたいと思ってるん??」。その返事が「・・・はい」やった。まず挨拶、それからちゃんと返事して、それと相勤さんと洗車の打ち合わせをちゃんとしてって言うた。まずこの3つからや。イヤなんやったらもう辞めたらいいと思う。あまりにも社会人としてのレベルが低すぎる。

しかしまあ色んな人材がいてるなあ。オレも勉強になるわ。まあ昔のタクシー業界ってもっともっと酷かったみたい。ただまあ、オレは基本的に辞めさす方向じゃなくて、残す方向で話を進めたい。辞めてもらうのは簡単や。せっかくこうして話すご縁があってんから、オレが出来る事はやりたいと思う。
―――引用ここまで―――
太字は引用者が行いました。
引用元 今日は不器用なタクシードライバーとガストミーティング♪ 20192.24の記事です。


イケルさんに質問です。

御社では、ドライバーさんに辞めてもらうのは簡単なのですか?
その際、労働基準法との整合性は、どの様に考えているのでしょうか?


私は、労働基準法上、そのドライバーさんを辞めさせることはできない!と思っています。
そして、辞めさせることが可能な前提で「残す方向で」というのは、そもそも立ち位置がおかしいです。
さらに、このドライバーさん、「問題は彼にあった」らしく、そして、社会人としてのレベルが低すぎるらしいのですが、その様なことをブログにさらすことは、そのドライバーさんの名誉を大きく毀損していませんか?
そして、これがパワハラだという認識はありますか?
晒された、ご本人がイケル氏のブログを読んだらどう思うのか?お考えになったことありますか?



問題のある乗務員という表現や社会人としてのレベルが低いという表現、そのいずれも相対的な評価です。
その相対的な評価で「会社を辞めさせるのが簡単」って、どれだけブラック企業なのでしょう。

そして、この記事は、企業のパワハラ体質を如実に物語っている!と感じないのでしょうか?


ところで、そもそもイケル氏にその権限が与えられているのでしょうか?

普通の会社であれば…
与えられていないのに、この様なことを書いて晒すのは越権行為として咎められる行為です。
与えられているとすれば、労働基準法に対する無知は、企業のイメージを大きく毀損します。
そのどちらなのでしょう?
どっちにしても、企業としてのガバナンス不全を晒しているわけで、それはそれで大きな問題のように思います。


企業のパワハラ体質にガバナンス不全をブログで晒す広報担当(笑)
人集めは、上手いのかもしれないけど、企業としてどうなの?と心配にすらなってしまうのです。


さらに、付け加えるならば…
このドライバーさんが、イケル氏のブログの記事を持って労働基準監督署に訴えたらどうなるでしょうか?
ワンコイングループではどうなのか?私は知りませんが、一般論としてタクシー会社は人を採用する際に様々な補助金をハローワーク経由で受けていることが多いです。
しかしながら、不当な解雇や労働基準法違反で訴えられると、これら補助金が受けられなくケースがあります。

このケースでは、どうなのか?それは、分かりませんが、ワンコイングループとして労働基準監督署に訴えられるようなケースを作らないのは、企業として最低限守らなければならい、と思うのです。
これは、企業防衛の基本だと昔教えられました。

それでもワンマン社長を止められず、想定以上の賠償金を払うことになったことがある。
これは、私の若かりし頃の思い出です(笑)


本人の意図は分かりませんが、読む人が読めば、この記事は

企業のパワハラ体質を晒し、ガバナンス不全も晒し、企業を損害賠償の危機に貶めている。そう読むことができるのです。

今となっては、書かれたドライバーさんが、訴えたりしないことを願うだけですね(笑)



さて、老婆心ながら、一般論として社会性の欠如した社員を雇ってしまった場合、企業にできることを書いておこうと思います。

労働基準法上、社員に社会性が無いからという理由で辞めさせることはできません。
企業にできることは、異動と教育。それだけです。
だから、採用は慎重に行わなければならない。

これも、若かりし頃、勤めていた会社で採用担当だった頃、当時の上司に教えられたことです。

イケル氏にできることは、その本人を晒すのではなく、採用担当者への叱責だったのではないでしょうか?
私は、そう思います。


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追記のようなもの

勝手な想像ですが…
人集めってタクシー会社にとっての肝です。
それが、様々な方法を駆使してできる人を会社として優遇するのは、自然な流れだと思います。

でもね、越えてはならない一線があって、それを越えたら、やっぱりアウトだと私は思うのです。

私は、東京のとあるタクシー会社で働いている、一乗務員に過ぎません。
大阪のタクシー会社のゴタゴタなんて、私には関係ない世界の話なのが本音だったりします。

そして、特別に広告を貼っている訳でもないこのブログのアクセス数が、この記事のお陰で伸びたとしても、直接的なメリットを受けるわけでもありません。

ただね。
仕事への敬意の様なものは、持っているつもりです。
そして、それを持っていない人は許せない!と思う気持ちは人より強いかもしれません。
ただ、それも人それぞれなので、ノータッチにしようと思っていました。

でも、太郎さんとのメールのやり取りを読んでいて、この人、自分の書いてきたことに責任を持たないのに何んで上から語ってんだ!と思ったのは事実です。

今回、この記事をアップするにあたって、書いて欲しい!という声を短時間の間に複数頂きました。
それに押されるようなカタチで、私の視点で書いたのがこの2つのエントリーです。

その意味で、この2つの記事は、私に書いて欲しいと願った複数の人々に捧げるもので、言い訳のようなものが聞きたいわけではありません。
そこに、私の興味はまったく無いのです(笑)

ただ…
この2つの記事に関する私信は、ブログネタとして使う可能性があることを、最後に書いておこうと思います。
私信をアップするのは、反則だと思うのですが、今回は特別ということでお許しください。

500en1

あれ、500円玉も関係ないか(・・;)